POP(Post Office Protocol)
POPとは
POP(Post Office Protocol)とは、電子メールを受信する際に使用するプロトコルです。
メーラーと呼ばれるメールソフトやWebメールでメールを受信する際にPOPを使用します。現在はPOPのバージョン3であるPOP3が主流です。
OSI参照モデル そして TCP/IP のアプリケーション層 で動作し、トランスポート層 では TCP を使用、そしてメールサーバにアクセスするために使用しているポート番号は「110」です。
POP3やIMAP4、SMTPはパスワードやメールなどの送受信データを暗号化していません。そのため盗聴されると簡単に内容を見られてしまいます。
この危険性を解消するために導入が進んでいるのが、POP3S/IMAP4S/SMTPSです。POP3S/IMAP4S/SMTPSはSSL/TLSを使い通信を暗号化し、安全にメールの送受信を行う技術です。
暗号化なし | 暗号化あり | 説明 | ||
プロトコル名 | ポート番号 | プロトコル名 | ポート番号 | |
POP3 | 110 | POP3S | 995 | 電子メールを受信する際に使用するプロトコル |
IMAP4 | 143 | IMAP4S | 993 | 電子メールを受信する際に使用するプロトコル |
SMTP | 25/587 | SMTPS | 465 | 電子メールを送信する際に使用するプロトコル |
メール送受信の流れ
SMTPとPOP3(IMAP4)を利用したメール送受信の流れは次の通りです。
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[手順1] SMTPを利用してメールを送信する
まずはじめに送信者のコンピュータは「SMTP」を利用してメールを送信します。この時、送信側のメールを管理しているメールサーバに向けてメールを送ります。
[手順2] 受信側のメールサーバにメールを転送する
メールを受け取った送信側のメールサーバは、宛先メールアドレスのドメイン(@以降のドメイン)からDNSより名前解決してIPアドレス(受信側メールサーバのIPアドレス)を取得します。
IPアドレスを取得したら受信側メールサーバに「SMTP」を利用してメールを転送します。
[手順3] メールサーバにメールの問い合わせを行う
送信されたメールは受信側のメールサーバが保管します。
受信者は定期的に受信側メールサーバに「メールが届いていないか」を問い合わせします。メールの問い合わせには「POP3」を利用し、ユーザ名とパスワード情報を付与して送信します。
[手順4] POP3を利用してメールを受信する
受信側のメールサーバは受信者からの「POP3」の要求に対し、ユーザ名とパスワード情報があっているかを確認し、認証が成功すると受信側メールサーバが保管していたメールを受信者へ送ります。
メール受信のプロトコルである「IMAP4」と「POP3」の違いは、メールサーバにメールを残すかどうかという点です。メールサーバからメールをダウンロードする「POP3」は、ダウンロード後にメールサーバからメールが削除されます。
それに比べ「IMAP4」は、メールサーバ上にメールが残ります。この特性により、Webメールや複数のコンピュータから同一アカウントのメールを受信する際に、メールの未読状態等の属性やメールフォルダの構成等が一元的に管理できる利点があります。