「OSI参照モデル」と「TCP/IP」の階層モデルの違い
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OSI参照モデルとは
OSI参照モデルとは、国際標準化機構(ISO)によって策定されたコンピュータ間で通信するためのモデルです。
国際標準化機構(ISO)が通信を行う際のルールを「OSI参照モデル」に策定したことで、あとは「OSI参照モデル」に従うだけです。ルールが統一されたことで異なるベンダー同士でも問題なく通信することが可能です。
しかし、実際は1977年から1984年にかけて定義された「OSI参照モデル」自体は普及せず、その内容だけがネットワークの基本モデルとして広く参照されています。
TCP/IPの階層モデルとは
TCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)は、ARPANETのプロジェクトから生まれたプロトコル群のモデルです。その主役となった「ヴィントン・グレイ・サーフ氏」は「インターネットの父」と呼ばれています。
1997年 - アメリカ国家技術賞。ロバート・カーンと共同受賞。ビル・クリントンからインターネットとTCP/IPの創造への貢献に対して授与された
TCP/IPは、通信の中心的な役割を果たす「TCP」と「IP」からTCP/IPと呼ばれるようになりました。「TCP」と「IP」を使う通信がTCP/IPであると勘違いしてしまいそうですが、TCP/IPとはあくまでも通信プロトコルのセットです。
通信でよく使用するプロトコル群( IP, ICMP, TCP, UDP, HTTP, SMTP, SSH,TELNETなど)を総称してTCP/IPと呼びます。
「OSI参照モデル」と「TCP/IP」の階層の違い
「OSI参照モデル」と「TCP/IP」の大きな違いは、階層の違いです。「OSI参照モデル」は7階層あるのに対し、「TCP/IP」は4階層しかありません。
「OSI参照モデル」よりも実装面で効率的 かつ 現実的な仕様となっているのが「TCP/IP」の階層モデルです。
OSI参照モデルの階層 | TCP/IPの階層 |
アプリケーション層 | アプリケーション層 |
プレゼンテーション層 | |
セッション層 | |
トランスポート層 | トランスポート層 |
ネットワーク層 | インターネット層 |
データリンク層 | ネットワークインターフェース層 |
物理層 |
TCP/IPの階層モデルの各層の主な役割は次の通りです。
- アプリケーション層:利用者が使うアプリケーションが通信するためのルール(プロトコル)を定義(HTTP、FTP、SMTPなど)
- トランスポート層:データ(セグメント)を届けるための信頼性についてのルール(プロトコル)を定義(TCP、UDPなど)
- インターネット層:宛先のコンピュータまでデータ(パケット)をどう届けるのかについてのルール(プロトコル)を定義(IP、ルーティングプロトコルなど)
- ネットワークインターフェース層:LANケーブルや光ケーブル、無線などにデータを流すため、ビット列を電気信号、光信号、無線(電波)などに変える