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OSI参照モデルとTCP/IP階層モデルの違い

2020年3月2日

「OSI参照モデル」と「TCP/IP」の階層モデルの違い

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OSI参照モデルとは

OSI参照モデルとは、国際標準化機構(ISO)によって策定されたコンピュータ間で通信するためのモデルです。

OSI参照モデル

国際標準化機構(ISO)が通信を行う際のルールを「OSI参照モデル」に策定したことで、あとは「OSI参照モデル」に従うだけです。ルールが統一されたことで異なるベンダー同士でも問題なく通信することが可能です。

しかし、実際は1977年から1984年にかけて定義された「OSI参照モデル」自体は普及せず、その内容だけがネットワークの基本モデルとして広く参照されています。

OSI参照モデルは、通信するための基本モデルであり、あくまでも「概念」として今でも幅広く参照されています。
OSI参照モデルが普及していないのであれば、実際はどのモデル(ルール)に従って通信は成立しているのですか?
はい、それが「TCP/IP」の階層モデルです。

TCP/IPの階層モデルとは

TCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)は、ARPANETのプロジェクトから生まれたプロトコル群のモデルです。その主役となった「ヴィントン・グレイ・サーフ氏」は「インターネットの父」と呼ばれています。

1997年 - アメリカ国家技術賞。ロバート・カーンと共同受賞。ビル・クリントンからインターネットとTCP/IPの創造への貢献に対して授与された

出典:ウィキペディア(Wikipedia)ヴィントン・サーフ

TCP/IPは、通信の中心的な役割を果たす「TCP」と「IP」からTCP/IPと呼ばれるようになりました。「TCP」と「IP」を使う通信がTCP/IPであると勘違いしてしまいそうですが、TCP/IPとはあくまでも通信プロトコルのセットです。

通信でよく使用するプロトコル群( IP, ICMP, TCP, UDP, HTTP, SMTP, SSH,TELNETなど)を総称してTCP/IPと呼びます。

「OSI参照モデル」と「TCP/IP」の階層の違い

「OSI参照モデル」と「TCP/IP」の大きな違いは、階層の違いです。「OSI参照モデル」は7階層あるのに対し、「TCP/IP」は4階層しかありません。

「OSI参照モデル」よりも実装面で効率的 かつ 現実的な仕様となっているのが「TCP/IP」の階層モデルです。

OSI参照モデルの階層 TCP/IPの階層
アプリケーション層 アプリケーション層
プレゼンテーション層
セッション層
トランスポート層 トランスポート層
ネットワーク層 インターネット層
データリンク層 ネットワークインターフェース層
物理層

TCP/IPの階層モデルの各層の主な役割は次の通りです。

  1. アプリケーション層:利用者が使うアプリケーションが通信するためのルール(プロトコル)を定義(HTTP、FTP、SMTPなど)
  2. トランスポート層:データ(セグメント)を届けるための信頼性についてのルール(プロトコル)を定義(TCP、UDPなど)
  3. インターネット層:宛先のコンピュータまでデータ(パケット)をどう届けるのかについてのルール(プロトコル)を定義(IP、ルーティングプロトコルなど)
  4. ネットワークインターフェース層:LANケーブルや光ケーブル、無線などにデータを流すため、ビット列を電気信号、光信号、無線(電波)などに変える

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