スケーラビリティ問題
スケーラビリティ問題とは
スケーラビリティ問題とは、暗号資産(仮想通貨)の利用者が増加することで、データ処理が追いつかなくなってしまう問題のことです。
スケーラビリティ問題で懸念される具体的なリスクとして、処理速度の低下と手数料の増加が挙げられます。
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なぜ処理速度が低下するの?
暗号資産(仮想通貨)で有名なビットコインは10分ほどで時間を区切り、その単位でトランザクションをひとまとめにします。このまとめる単位のことを「ブロック」と呼び、取引データをブロックにまとめブロックチェーン上に記録します。
そして、ビットコインの場合は1ブロックのデータサイズが1MB(メガバイト)と決まっています。
この決められたブロックサイズに取引が集中した結果、処理が追いつかず取引完了までに時間がかかってしまうのです。
単純に1ブロックのデータサイズを増やせば解決すると考えられますが、ブロックのサイズを大きくすると、マイニングの集中化が進む懸念があります。
ブロックサイズを大きくすると、新たに発見されたブロックが他のマイナーに伝わるまでの時間が長くなるため、マイニングに成功したマイナーがより有利となってしまいます。
その結果、小規模なマイナーがブロックを発見できる確率が下がり、マイニング競争から撤退してしまうことにつながります。そうなるとマイナーの集中化が進み、ブロックチェーンの売りである分散型という構造が崩れます。そして、最悪の場合「51%攻撃」が可能になってしまいます。
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ビットコインの仕組みはこちらをご覧ください。
なぜ手数料が増えるの?
スケーラビリティ問題が取引手数料の高騰につながる理由は、各トランザクションに、マイニングに対する報酬(手数料)が個別に設定されているからです。
そうなるとマイナーは、報酬の高いトランザクションから処理します。
未処理のままなかなか処理されないのは困るので、取引所などは送金を確実に行えるようにするため、報酬を引き上げて取引の確実性を担保しようとします。
その結果、その分のコストを取引手数料に加算せざるを得なくなります。