DAO(分散型自律組織)
DAOとは
DAOとは、ブロックチェーンを基盤にして、世界中の人々が協力しながら管理・運営をおこなう組織のことです。
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DAOはDecentralized Autonomous Organizationの頭文字を取ったもので、日本語では「分散型自律組織」という言葉です。
次の図はDAOのイメージ例です。
株式会社をはじめとする従来組織の場合、企業の上層部が意思決定をくだし、それに基づいて下部組織が動く「トップダウン方式」が一般的です。
それに対しDAOは、メンバーの投票によって組織の方向性を決めます。企業のように管理者やリーダー的存在がいて、指示を出すトップダウン形式ではなく、参加者同士で意思決定します。
ここがポイント
DAO(分散型自律組織):株式会社のように特定の管理者やリーダーは存在せず、メンバーの投票によって意思決定する組織。
The DAO事件
DAOは、2016年に構築された「The DAO」をもとにして生まれた組織形態です。
The DAOは、投資先をDAO参加者の投票で決定し、利益が上がればDAOメンバーに配分するという仕組みです。2016年5月に行ったICOでは、史上最高額の約150億円(約1207万ETH)を集めることに成功しています。
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しかしその後、The DAOにおけるシステム上の脆弱性を突かれ、約364万ETHもの資金が盗まれるという事件が発生しました。この事件を「The DAO事件」といいます。
The DAOの誕生と失敗は、DAOの歴史上で重要な出来事であり、この失敗を受けて、DAOのセキュリティ・技術・法の整備などがおこなわれ、現在では数々の新しいDAOが生まれています。
DAOの仕組み
DAOは主に次のような流れ運営されています。
- 議題に対して、メンバーが投票する
- 投票結果、組織全体の方向性が決まる
- 「スマート・コントラクト」が処理を実行、ブロックチェーンへ記録する
スマート・コントラクトとは、契約行動をプログラム化し、自動的に実行する仕組みです。投票で過半数を獲得したほうへ、組織全体の方向性が決まり、その結果を自動プログラム「スマート・コントラクト」が処理します。
またDAOの意思決定に関わるには「ガバナンストークン」を保有する必要があります。
ガバナンストークンとは、DAOの運営における意思決定において、保有者に投票の権利を与えるトークンのことです。
DAOによる意思決定では、ガバナンストークンの保有量に応じて投票権が付与される仕組みが多く、メンバーの投票は受け付けるものの、ガバナンストークンを大量に購入して保有している大口投資家の権利が強くなるのではないかという懸念があります。