メタバースとは

メタバース

メタバースとは

メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間のことです。

メタバース内のバーチャル世界では、自分自身を「アバター」と呼ばれるキャラクターに置き換えて操作することで、他社とコミュニケーションをとったり、イベントに参加したり、ビジネスを行ったりと、幅広い活動が可能です。

将来的には仕事や経済活動を含め、生活の一部をメタバース空間上で行うレベルまで普及するのではないかといわれています。

メタバースという言葉は「メタ（ = meta／超越した）」と「ユニバース（ = universe／世界 ）」を組み合わせたものであり、元々は作家のニール・スティーヴンスンが1992年に発表した小説「スノウ・クラッシュ」に登場した架空の仮想空間サービスの名称だったと言われています。

メタバースが活用される分野

メタバースは主に「ゲーム」と「ビジネス」の分野で活用されています。

ゲームの分野では、アメリカのゲーム会社Epic Gamesが提供する「フォートナイト」や任天堂の人気ゲーム「あつまれどうぶつの森」などがメタバースといえます。

ビジネスの分野では、2021年にFacebook（現・Meta）が公開した「Horizon Workrooms」、Microsoftが公開した「Mesh for Microsoft Teams」は、仮想空間のオフィスにアバターで出社し、同僚とコミュニケーションや業務を行えるバーチャルオフィスです。

また、オンラインの仮想空間内で行うイベント「バーチャルイベント」、オンラインの仮想空間内に作られた店舗で物品やサービスの購入ができる「バーチャルショップ」などがあります。

ただし、メタバースの定義は曖昧（明確な定義は存在しない）で、専門家によって捉え方が微妙に異なっています。

そのため、上記の例は「メタバースの一部」、あるいは「将来的に普及するであろうメタバースの途中段階のゲームやサービス」と認識しておいたほうがよいでしょう。

メタバースが注目される理由・背景

2021年頃から大きな注目を集めている「メタバース」ですが、「メタバース」という言葉自体は昔から存在していたものであり、特に新しい概念ではありません。

ではなぜ、「メタバース」が注目されるようになったのでしょうか。

その背景には複数の要素が関連しています。

コロナ禍の影響でコミュニケーション手段のデジタル化が進んだ

新型コロナウイルス感染症の影響により、各地のイベントが中止になったり、仕事が在宅勤務になったりと、人が集まってコミュニケーションを取る機会が減りました。

それに伴い進行したのが、コミュニケーション手段のデジタル化です。

コロナ禍以降、オンライン会議ツールやチャットツールを使う人が一気に増えましたが、メタバースもその延長線上にあるといえます。

メタバースはインターネット上に構築された仮想空間です。メタバースを利用すれば、メタバース内でイベントを開催したり、ビジネス上のコミュニケーションを取ったりすることが可能です。

VR技術の進化

VRは「Virtual Reality」の略で、日本語で「仮想現実」という意味の言葉です。

具体的には、VRゴーグルと呼ばれる専用のゴーグルで人間の視界を覆うように360°の映像を映すことで、実際にその空間にいるような感覚を得られる技術です。

近年ではこれをさらに発展させて、映像の中を自由に移動したり、ものを動かしたりといった没入感の高い体験も可能です。

初期のVRゴーグルは非常に重く課題が多かったのが、近年はゴーグルの軽量化、ワイヤレスなど、VR技術が進化しています。

VRを使ったコンテンツやサービスのクオリティが向上したことも、メタバースが注目されている要因といえます。

NFTや暗号資産などの技術の実用化

NFTや暗号資産（仮想通貨）などの技術の実用化も、人々の注目をメタバースに向けさせる要因のひとつになっています。

NFTとは、簡単に説明するとデジタル上のデータに本物である証明書をつけて売買できるようにする技術のことです。

NFTとメタバースを組み合わせれば、メタバース内で価値あるNFT作品の売買が可能です。（NFT作品は暗号資産で購入できる）

メタバースやNFT、暗号資産を利用することで、大規模な経済活動が行えるようになるのではないかと期待されています。

大手IT企業「Facebook」の社名変更と本格参入

2021年10月に大手IT企業「Facebook」が社名を「Meta」に変更し、メタバース事業に本格参入することを発表しています。このニュースは世界中で大きく取り上げられ、「メタバース」という言葉が大きな注目を集めました。

メタバースとVRの違い

VRとは、VRゴーグルと呼ばれる専用のゴーグルで人間の視界を覆うように360°の映像を映すことで、実際にその空間にいるような感覚を得られる技術です。

それに対しメタバースは、3次元の仮想空間上でさまざま人とコミュニケーションを取ったり、楽しんだりする世界のことを指す言葉です。

VRは没入感を与える手段およびデバイス、メタバースはVRなどの技術を使って入り込む仮想空間と区別できます。