システム開発

AR(拡張現実)とは

2023年5月11日

AR(Augmented Reality)

ARとは

ARはAugmented Reality(アグメンティッド・リアリティー)の略で、日本語では「拡張現実」という意味の言葉です。

拡張現実とは、現実世界に仮想世界を重ね合わせて表示する技術のことです。

具体的にはスマートフォンなどのカメラで写している映像に、現実には存在しないデジタル情報(CGでつくられた3D映像やキャラクターなどのデジタルコンテンツやデータなど)を重ね合わせ、そのデジタル情報が実在しているように見せる技術です。

ARのイメージ例

ARを使えば、現実世界にないものをまるで存在しているかのように映し出すことができます。

2016年に話題となり、世界中で社会現象にもなったゲームアプリ「Pokémon GO(ポケモン GO)」や、人気のカメラアプリ「SNOW」「Snapchat」なども人気を集めました。

ARは日常生活の利便性を向上させ、新しい楽しみを生み出せる技術として注目されており、さまざまな分野で実用化が進んでいます。

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ARの歴史

1901年:AR概念の誕生

拡張現実と同様のアイデアが登場したのは1901年、小説家「ライマン・フランク・ボーム」が自身の小説「The Master Key: An Electrical Fairy Tale」の中で、現実の世界にデジタルを重ね合わせる電子ディスプレイの概念を提唱したことが始まりと言われています。

1968年:ヘッドマウントディスプレイを開発

1968年にアメリカの計算機科学者「アイバン・サザランド」がARを実現するためのデバイスとしてヘッドマウントディスプレイ・システム「The Sword of Damocles」を開発しています。

このデバイスを装着することで、利用者はコンピュータグラフィックで作られた環境で仮想体験を得ることができたが、このデバイスは重すぎたため、天井から吊り下げる必要がありました。また仮想空間内で作り出せるものはシンプルな線のみで構成されるものに限られていたと言われています。

2000年代~:スマホの普及に伴い、一般消費者向けサービスが登場

AR技術は1990年代から開発が本格的に進められるようになり、軍事産業や自動車・航空機製造産業にARが採用されるなど、コンピュータの普及に伴いARの開発は継続的におこなわれていました。

そして、2000年代に入り携帯電話が普及したことで、これまで企業向けだったARが、一般消費者向けのサービスとして利用されるようになっていきます。

  • 2007年:AR技術を応用した初めての市販ゲーム「THE EYE OF JUDGMENT」が発売される
  • 2008年:スマートフォンでARを活用した初の一般向け位置情報アプリケーションである「Wikitude」がリリースされる
  • 2009年:GPSの位置情報を利用する「セカイカメラ」がリリースされる
  • 2013年:Googleがヘッドマウントディスプレイ型のウェアラブルデバイス「Google Glass」を発表
  • 2016年:ゲームアプリ「Pokémon GO(ポケモン GO)」が発売される、エプソン販売株式会社がAR対応のスマートグラス「BT-300」を発表

AR活用事例

ARはさまざまな業界で活用されており、活用分野は年々広がっています。

ARの代表的な活用事例は次のとおりです。

活用事例説明
ARゲームアプリ位置情報を利用することで現実世界がそのままゲームの舞台になり、プレイヤーを世界に没入させることができる。代表的なARゲームには「Pokémon GO(ポケモン GO)」「Jurassic World アライブ!」「Ingress Prime」などがある。
スポーツARを活用した競技として有名なのが「HADO」、「HADO」はヘッドマウントディスプレイとアームセンサーを装着して行う対戦型ARスポーツで、自分の体を使い、現実では不可能なビームやバリアのような技を出せることが人気の理由になっている。
家具・家電シミュレーションスマホの画面で家具を試し置きできるARアプリでは、カメラで写した空間に実寸家具の3Dモデルを配置できるので、部屋の状況に合わせながら家具の購入を検討できる。
MAP・地図案内地図でもARは活用されている。例えばGoogle MapのARナビでは、カメラで写した街中の風景に、現在地からの目的地をナビゲーションしてくれる矢印と地図が表示される。
運輸・流通での業務効率化ARは運輸や流通の分野でも活用されている。例えば、倉庫内のピッキング作業。ピッキングとは、倉庫内にある荷物を集める作業。スマートグラスに自分が集めるべき商品の場所やルートを表示させることで、作業が初めての人や、新しく搬入された商品であっても、問題なく作業できるため、業務効率化につながる。

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