はじめに
システム開発の現場でよく耳にする言葉である「マイグレーション(マイグレ)」と「リプレース」、エンジニア同士では当たり前のように使われている言葉ですが、「マイグレーション」と「リプレース」の違いがわからなくてインターネットで調べたことがある人は多いと思います。
本記事では、「マイグレーション」と「リプレース」の違いについて解説しています。
暗記ポイント
- マイグレーション:ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移転させること
- リスレース:古くなったシステムや破損したシステムを新しい環境に置き換えること
マイグレーション(マイグレ)とは
マイグレーション(略:マイグレ)とは、移行、移動、移転などの意味を持つ英単語であり、ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移転させることです。
例えば、開発言語をCOBOLからJavaへ移行したり、Visual Basic 6.0(VB6.0)からVB.NETへ移行したりと古い開発言語やサポートが終了している開発言語を主流の開発言語にマイグレーションする、なんて仕事はよくあります。
また、オンプレミス(オンプレ)環境で構築されたシステムをクラウド環境へマイグレーションする、という仕事もよくあります。
メモ
オンプレミスとは、システム開発やインフラの構築で必要となるサーバやネットワーク機器、あるいはソフトウェアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態のことです。
現在(※2023年時点)はクラウドの時代です。自社で運営していたサーバーやDBなどを、クラウドに移行(マイグレーション)するシステムは増えています。
リプレースとは
リプレースとは、交換、置換などの意味を持つ英単語であり、古くなったシステムや破損したシステムを新しいものに置き換えることです。
ITの進歩は早くシステムやソフトウェアは、あっという間に古くなってしまいます。そして、古くなったことにより故障や破損といった問題が生じすることもあります。
また、以前は問題なかったことが時代の経過と共に問題となり、改修が必要になることがあります。
例えば、セキュリティ面(当時は問題なかったが、時代の経過と共に問題が発生)やデータ量が膨大(時代の経過と共に扱うデータのサイズが大きくなった)になり動作が不安定になるなど、さまざまな問題が発生します。
このような問題を解決するために、リプレースを行います。リプレースは古くなったシステムやソフトウェアの問題点を解消することを目的として実施します。
リプレースは部分的に入れ替える場合と、全体を新しくする場合があります。
既存システムの抱えている問題が一部分であればその部分だけをリプレースすればよいですが、全面的に問題がある場合は、全面的なリプレースが必要です。