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世界最下位の有給消化率である日本がついに年5日の有給休暇義務化

働きすぎる日本人、有給休暇は捨てる物

日本人は働き者です。有給休暇を使い切れずに捨ててしまうことは当たり前の社会になっているといえます。有給休暇の時効は「労働基準法第115条」により2年と決められています。そして最大最大保持日数は40日です。

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例えば、下記のように有給休暇を全く使わないと2018年4月の時に2016年に付与された20日が捨てられているのです。

  • 2016年4月 : 有給休暇20日付与(合計20日)
  • 2017年4月 : 有給休暇20日付与(合計40日)
  • 2018年4月 : 有給休暇20日付与(合計40日)

 

厚生労働省が発表した平成28年業種別の有休消化率は以下。

■電気・ガス・熱供給・水道業
平均付与日数:19.5日
平均取得日数:14.0日
消化率:71.8%

■複合サービス事業
平均取得日数:19.4日
平均取得日数:12.5日
消化率:64.6%

■情報通信業
平均付与日数:18.9日
平均取得日数:11.2日
消化率:58.9%

■学術研究,専門・技術サービス業
平均付与日数:18.1日
平均取得日数:10.4日
消化率:57.6%

■鉱業,採石業,砂利採取業
平均付与日数:18.3日
平均取得日数:10.4日
消化率:57.0%

■製造業
平均付与日数:19.0日
平均取得日数:10.7日
消化率:56.2%

■医療,福祉
平均付与日数:16.8日
平均取得日数:8.8日
消化率:52.5%

■金融業,保険業
平均付与日数:20.3日
平均取得日数:10.4日
消化率:51.5%

■サービス業(他に分類されないもの)
平均付与日数:17.0日
平均取得日数:8.5日
消化率:49.9%

■運輸業,郵便業
平均付与日数:17.7日
平均取得日数:8.6日
消化率:49.0%

■不動産業,物品賃貸業
平均付与日数:17.8日
平均取得日数:7.8日
消化率:43.7%

■生活関連サービス業,娯楽業
平均付与日数:16.9日
平均取得日数:6.6日
消化率:38.9%

■建設業
平均付与日数:18.1日
平均取得日数:6.9日
消化率:38.0%

■教育,学習支援業
平均付与日数:18.8日
平均取得日数:7.0日
消化率:37.2%

■卸売業,小売業
平均付与日数:18.3日
平均取得日数:6.4日
消化率:34.9%

■宿泊業,飲食サービス業
平均付与日数:16.5日
平均取得日数:5.4日
消化率:32.8%

出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/17/dl/gaikyou.pdf

有給休暇の消化率が一番高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」で71.8%(平均取得日数14日)、一番低いのは「宿泊業,飲食サービス業」で32.8%(平均取得日数5.4日)になっています。

やはりサービス業が圧倒的に有給消化率が低い結果となっています。

 

この結果を見てもほとんどの業種が有給休暇は使い切れずに捨てているのです。

 

労働者には有給休暇を取得できる権利があります。ただ現実は休まれると困る業種も多く、自由に休むことが出来ないのが現実です。

 

日本は"断トツ"で世界最下位の有給消化率

日本は世界最下位の有給消化率

国際比較調査2018では有給休暇消化率3年連続で日本が最下位という結果になりました。

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有給消化率100%の国は「ブラジル」「フランス」「スペイン」「ドイツ」、同じアジアである「韓国」は93%の有給消化率、最後から二番目の「アメリカ」は71%とやや低い結果となっています。

日本の有給消化率は50%と世界と比べると断トツに低い数値です。

■ 有給休暇消化率
1位~4位:ブラジル、フランス、スペイン、ドイツ:有給消化率100%(支給日数:30日)
5位:イギリス:有給消化率96%(支給日数:26日)
最下位:日本:有給消化率50%(支給日数:20日)

世界で一番有給休暇を消化していない日本ですが、「自分は今より多くの有給休暇をもらう権利がある」という質問に対しても世界で最下位の結果となっています。上位5ヶ国は有給消化率は高いが支給日数が15日前後と少ないので納得ですが、日本は圧倒的に有給消化していないのに、この回答結果は謙虚すぎる国民性が出た結果となりました。

そして「有給休暇の取得に罪悪感があるか」という質問に日本人の58%が「ある」と答え世界でもっとも多い結果となっています。

 

"他人の目が気になる"日本人には有給休暇という仕組みは向いていないのかもしれません。

 

■「自分は今より多くの有給休暇をもらう権利がある」と回答した人
1位:香港 86%(有給消化率100%※ただし支給日数が14日と少ない)
2位:インド 82%(有給消化率75%※支給日数20日)
3位:韓国 78%(有給消化率93%※支給日数15日)
4位:シンガポール 77%(有給消化率93%※支給日数15日)
5位:メキシコ 77%(有給消化率93%※支給日数15日)
最下位:日本 54%(有給消化率50%※支給日数20日)
■ 有給休暇の取得に罪悪感がある人の割合
1位:日本 58%
2位:韓国 55%
3位:シンガポール 42%
4位:アメリカ 39%
5位:香港 38%
最下位:メキシコ 20%

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000003373.html

日本は休まずに働くことが当たり前の社会です。そんな社会の中では"他人の目が気になる"日本人は有給休暇を取ることに罪悪感を感じている人が多い結果となりました。

ただ世界では特にヨーロッパや南米では労働者の権利である有給休暇は支給された分はしっかり消化する。当たり前のことなのかもしれません。

働き方革命「年5日の有給休暇義務化」

労働者の権利である有給休暇ですが、日本は休まずに働くことが当たり前の社会であり、"他人の目が気になる"日本人では、なかなか有給消化率をあげることは難しいのが現実です。

そんな中ついに2018年6月29日に成立した「働き方改革関連法案」により、2019年4月1日から使用者は10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日間有給休暇を取得させることが義務付けられました。

 

詳しい詳細は労働基準法第39条に記載されていますので、そちらを確認してみてください。

 

もし労働者に最低年5日の有給休暇を取得させなかった場合は労働基準法違反となります。企業は6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。

世界で断トツに有給休暇を消化しない日本。この働き方革命により2019年度の有給消化率が少しでもあがることを期待したいです。

まとめ

この記事では日本の有給休暇消化についてまとめてみました。

日本が平和な国なのは"他人の目が気になる"国民性が大きいと思っています。

ただ仕事は毎日大変です。有給休暇は労働者に与えられた自由に使える権利なので、"他人の目は気にせず"少しくらい仕事をサボって息抜きしてもいいのではないのでしょうか。そんな世の中になればもう少し働きやすい社会になるかもしれません。

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