客先常駐

客先常駐はマネジメント能力が学べない

2019年2月3日

マネジメント能力とは

前回の記事では「客先常駐は評価制度が確立できない」について紹介しました。本記事では客先常駐の問題点である「マネジメント能力が学べない」について紹介していきます。

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マネジメント能力は経営者や管理者に必須な能力です。最近よく聞くハイクラス転職で高年収を得る人はこのマネジメント能力が高い傾向にあると考えられます。

ではマネジメント能力とはどのような能力なのでしょうか。簡単にいうと何かの事柄を管理したり上手に運営したりする能力の事です。部長であれば部がうまくまわるように管理する力。人・物・お金の管理を上手に行うスキルです。

リーダシップは"人の管理"がメインのスキルです。"人の管理"、"物の管理"、"お金の管理"を行うマネジメント能力はリーダーシップより更に管理する対象が増えた能力です。

客先常駐はマネジメント能力が学べない

マネージメント能力が学べない

一般的に考えられるIT業界の成長のレールは20代で「技術を学び」、30代で「人の管理を学び」、40代で「お金の管理を学び」ます。企業にはこのレールが引かれていて定員数が決まっている電車(役職)に乗るために出世争いをします。その結果、出世できずに40代になっても「お金」の管理を学べない人は沢山います。

しかし客先常駐で働いていると、この成長のレールがそもそも引かれていないのです。「技術」や「人の管理」は客先で常駐して働いていても学ぶことは出来ると思います。ただ「お金の管理」は客先常駐で学ぶことは難しいです。その理由はお金の管理は雇い主側が行っているからです。客先常駐でお金の管理を学ぶには「請負契約」で仕事を受注する必要があります。

 

「派遣契約」や「準委任契約」では、プロジェクトの管理を任されることはほとんどありません。なぜなら責任がないからです。仕事の完成責任があるのは「請負契約」だけです。

派遣契約 準委任契約 請負契約
契約内容 労働に従事 業務の委託 仕事の完成
指揮命令 発注側 受注側 受注側
完成責任 なし なし あり
瑕疵担保責任 なし なし あり

プロジェクトに対するお金の見積もりや、そのプロジェクトにどのくらいの人を投入するかなどの"マネジメント能力"を学べる機会が、客先常駐で働いているとありません。客先常駐は結局、技術者を派遣するだけの働き方なのです。

客先常駐では身近に"マネジメント能力を学ぶ"お手本がいない

普通の会社では身近に部長や課長がいます。そのため部長や課長がどのような仕事をしているのか観察することが出来ます。また部長代理や課長代理といった役職になると、その役職の仕事を体験する事ができる事もあります。

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しかし客先常駐で働いていると、マネジメント能力を学ぶお手本となる人物が身近にいないのです。お手本がいないので何をどう学べば良いか分かりません。手探りで学んでいくしかないのです。

客先常駐では身近に"マネージメント能力を学ぶ"お手本がいない

客先常駐メインの会社にも部や課の予算を管理する部長や課長がいます。ではこの部長や課長はどのようにしてマネジメント能力を学んだのでしょうか。会社によって様々な方法を取っていると思われますが、基本的には急に言われ手探りで学んだ人が多いイメージです。

普通の会社であれば「技術」→「人の管理」→「お金の管理」というレールが引かれています。管理職になれるかは本人次第ですが、チャンスは与えられており学ぶ機会もあります。

しかし客先常駐では「技術」→「人の管理」でレールが終わっています。「お金の管理」を学ぶ機会がない中、急に本社に戻らされて「お金の管理」を学ぶのです。

 

将来的に管理者になりたいと思っていても学ぶ機会がない為、将来が不安です。客先常駐メインの会社でマネジメント能力を学ぶには、マネジメントが出来る請負案件を受注するか、請負案件をやっているチームに移動するか、手探りで学ぶか、転職するかしかないのかもしれません。

終わりに

本記事では客先常駐の問題点である「マネジメント能力が学べない」について紹介しました。40代になってマネジメント能力があるのと、ないのでは圧倒的な差があります。例えば転職、マネジメント能力があれば40代でも転職が可能です。(※景気に左右されます)

しかしマネジメント能力がない40代は正直転職は厳しいのが現実だと考えられます。それくらいマネジメント能力は価値のあるスキルです。

 

次回は客先常駐の問題点である「客先社員との壁」について紹介します。

客先常駐で働いていると感じる顧客社員との壁

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