目次
はじめに
前回の記事では、Javaの例外について紹介しました。
本記事では、Java APIについて紹介します。
Java APIとは
Java APIとは、開発を行うために用意された便利な機能(標準API)のことです。
Javaで開発するときは、すべてを1から実装するのではなく、標準で用意されているAPIを使います。標準で用意されたAPIを使うことで効率よく開発することができます。
例えば、Javaのバージョン11で提供されているAPIは以下のサイトから確認できます。
Java APIは「Java API」もしくは「Java 11 API」(※11はバージョン。バージョンを指定することで指定したバージョンのAPIが検索結果に表示される)と検索エンジンで検索すると、検索結果の上位に表示されます。

基本クラス
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文字列を扱う「String」クラス
文字列の型を表す String は Java API が提供しているクラスです。
Stringでよく利用する便利なメソッドは次のとおりです。
文字列の長さを返す「length」
Stringクラスに用意されている「length」メソッドを使うことで、文字列の長さを取得することができます。
[lengthの使用例]
public class StringLengthSample { public static void main(String[] args) { String value = "あいうえお"; System.out.println("文字列の長さ:" + value.length()); } }
[実行結果]
文字列の長さ:5
文字列の一部を切り出す「substring」
Stringクラスに用意されている「substring」メソッドを使うことで、文字列の一部を切り出すことができます。
substringには次の引数を指定できます。
public String substring(int beginIndex)
public String substring(int beginIndex, int endIndex)
「beginIndex」は開始位置「endIndex」は終了位置であり「beginIndex」のみを指定した場合は「beginIndex」~最後までを切り出し、両方指定した場合は「beginIndex」~「endIndex」-1を切り出します。(位置は0から数える)
[substringの使用例]
public class StringSubstringSample { public static void main(String[] args) { String value = "あいうえお"; System.out.println("あいうえお.substring(2) → " + value.substring(2)); System.out.println("あいうえお.substring(2,4) → " + value.substring(2,4)); } }
[実行結果]
あいうえお.substring(2) → うえお あいうえお.substring(2,4) → うえ
文字列を比較する(equals)
Stringクラスに用意されている「equals」メソッドを使うことで、文字列を比較することができます。

[equalsの使用例]
public class StringEqualsSample { public static void main(String[] args) { String a = "あいうえお"; String b = "かきくけこ"; if (a != null) { if (a.equals(b)) { System.out.println("一致します"); } else { System.out.println("一致しません"); } } } }
[実行結果]
一致しません
文字列に型変換する(valueOf)
Stringクラスに用意されているstaticメソッド「valueOf」を使うことで、String型に型変換(キャスト)することができます。
次の例では、int型をString型に変換しています。
int num = 1;
String value = String.valueOf(num);
ラッパークラス
Javaでは、intやdoubleなどの基本データ型(プリミティブ型)に対応したクラスが用意されています。これらのクラスのことをラッパークラスといいます。
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ラッパークラスは、基本のデータ型に対する便利なメソッドが用意されています。またラッパークラスはクラスなのでnullを代入することができます。(intやdoubleなどの基本データ型にはnullは代入できない)
基本データ型 | ラッパークラス |
byte | Byte |
short | Short |
int | Integer |
long | Long |
float | Float |
double | Double |
char | Character |
boolean | Boolean |
ラッパークラスでよく利用する便利なメソッドは型変換(キャスト)です。
次の例では、int型のラッパークラス「Integer」に用意されているstaticメソッド「parseInt」でString型の文字列をint型に変換しています。
String value = "1";
int num = Integer.parseInt(value);
コレクションクラス
Listを扱う「ArrayList」クラス
ArrayListクラスは要素数が決まっていない動的な配列で、コレクションの中でもよく使用されるクラスです。ArrayListクラスには便利なメソッドが用意されており、リスト操作を簡単に行うことができます。
[ArrayListの主なメソッド]
メソッド | 説明 |
add() | リストに要素を追加 |
get() | 指定した位置の要素をリストから取得 |
indexOf() | リストに格納されている要素の位置を取得 |
size() | リストのサイズを取得 |
remove() | 指定した位置の要素をリストから削除 |
clear() | リストの要素をすべて削除 |
[ArrayListの使用例]
import java.util.ArrayList; import java.util.List; public class ListSample { public static void main(String[] args) { List<String> list = new ArrayList<String>(); // 要素の追加 list.add("あいうえお"); list.add("かきくけこ"); list.add("さしすせそ"); // 指定した位置の要素を取得 String value = list.get(0); System.out.println("リストの0番目の値は\"" + value + "\""); // 要素の位置を取得 int index = list.indexOf("かきくけこ"); System.out.println("\"かきくけこ\"はリストの" + index + "番目"); // リストのサイズを取得 int length = list.size(); System.out.println("リストのサイズは" + length); // 指定した位置の要素を削除 list.remove(0); System.out.println("要素削除後のリストのサイズは" + list.size()); // すべての要素を削除 list.clear(); System.out.println("すべての要素削除後のリストのサイズは" + list.size()); } }
[実行結果]
リストの0番目の値は"あいうえお" "かきくけこ"はリストの1番目 リストのサイズは3 要素削除後のリストのサイズは2 すべての要素削除後のリストのサイズは0
日付クラス
日付を扱う「Date」クラス
Dateクラスを使うことで日付を扱うことができます。Dateクラスのオブジェクトを生成することで、現在の日時を取得することができます。
[Dateクラスの使用例]
import java.util.Date; public class DateSample { public static void main(String[] args) { Date date = new Date(); System.out.println(date); } }
[実行結果]
Wed May 12 00:28:21 JST 2021
