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VR(Virtual Reality)
VRとは
VRはVirtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略で、日本語では「仮想現実」という意味の言葉です。
具体的には、VRゴーグルなどのVRデバイスを装着することで、360度広がるデジタル上の仮想空間に没入したような感覚を得られる技術です。
近年ではこれをさらに発展させて、映像の中を自由に移動したり、ものを動かしたりといった没入感の高い体験が可能になっています。
VRの歴史
1935年:短編小説で登場
アメリカのSF作家「スタンリイ・G・ワインボウム」による短編小説「Pygmalion's Spectacles」にゴーグル型のVRシステムが登場、これは視覚、嗅覚、触覚の仮想的な体験をホログラフィに記録してゴーグルに投影するというシステムで、これがVRの先駆けになった言われています。
1960年代:VRの研究が開始される
VRの研究が開始されたのは1960年代、具体的には1962年にセンソラマ(Sensorama)と呼ばれる、VR体験装置の試作機が「en:Morton Heilig」によって発表され、その後、1968年にアメリカの計算機科学者だった「アイバン・サザランド」が、現在のヘッドマウントディスプレイ(HMD)の前身のようなシステム(ダモクレスの剣)を発表しています。
1990年代:第一次VRブームの到来
1970年代~1980年代にもVR装置の開発は行われていましたが、VR装置の商用化が始まったのは、1990年代前後からです。
VRの市場デビューは、1989年サンフランシスコで実施された「Texpo'89」というイベントです。
そして、ジャロン・ラニアーが設立した「VPL Research社」によって発表されたVR製品「データ・グローブ(手の動きを入力するセンサー付きの手袋)」を製品化して売りに出したことで、Virtual Reality(バーチャル・リアリティ)という言葉が一般的に普及したと言われています。
2016年:VR元年
1990年代に第一次VRブームが到来し大きな注目を集めたVR装置の開発は、世界中でさまざまなアプローチを取りながら進められてきました。
しかし、これらの装置は高額であったため、一般に普及することはなく、VR業界に参入していた企業もほとんどが撤退、第一次VRブームは10年ほどで収束を遂げ、しばらくは根本的なハードウェア開発が進められました。
その後、グラフィック技術が飛躍的に進化し、2016年には「PlayStation VR」をはじめとするさまざまな家庭用VRゲーム機器が販売されました。
そのため、2016年は「VR元年」が呼ばれています。
2016年が「VR元年」と呼ばれる理由は、2016年にその技術や商品が多く開発され、一般人に手が届く価格で発売されたことによって、世間に広まる第一歩を踏み出したからと言われています。
VR活用事例
VRはさまざまな業界で活用されており、活用分野は年々広がっています。
VRの代表的な活用事例は次のとおりです。
業界 | 説明 |
エンターテインメント | 「PlayStation VR」などの家庭用ゲーム機や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のVRアトラクションなどが人気を集めている。 VR技術によって360度広がる壮大な世界でゲームやアトラクションを楽しめる。 |
旅行・観光 | 旅行の候補地として選んでもらうためにVRを使ってプロモーションする方法や、VRを使った旅行体験を一つのパッケージとして販売する方法など、VRは旅行・観光業でも活用されている。 VRの魅力は、その場にいるかのような疑似体験を届けられること。これにより利用者は旅行中のイメージができ「実際に行ってみたい」「もっと詳しく体験したい」という気持ちにつながる。 またVR旅行は、空いた時間に好きな場所から参加できるので、まとまった休暇を取れない人や、気軽にリフレッシュしたいというニーズに応えられる。 |
医療 | 医療分野においてVRは、トレーニングやシミュレーション目的で活用されている。 VRはより実践的な状況を作り出せることが強み。医者が手術のシミュレーションをVRで行ったり、患者がリハビリトレーニングにVRを使用したりすることで、実践に即した状況を作り出すことが可能。 |
スポーツ | さまざまな業界で活用されているVRですが、近年ではスポーツ観戦や体験にも用いられている。 野球やサッカーといったメジャーなスポーツはもちろん、競輪やF1などスピード感があふれるようなスポーツにも、VRが導入されている。 |