目次
カルノー図法
カルノー図とは、論理式を簡略化するための表のことです。そして、この表を用いて論理式の簡略化を行う手法のことをカルノー図法といいます。
カルノー図法を利用すると、論理式を簡略化することができます。
例えば次のような論理式「A・B + A・B + A・B」があるとします。
この論理式に対してカルノー図法を用いて簡略化すると「A・B」で済むことが分かります。
このようにカルノー図法を利用することで、論理式を簡略化することができます。
スポンサーリンク
カルノー図の作り方
今回の例では、論理式「A・B + A・B + A・B」のカルノー図を作成しています。
まず次のように縦軸にA、横軸にBの取り得る真偽値を書いた表を用意します。
AB | 0 | 1 |
0 | ||
1 |
そして、論理式「A・B + A・B + A・B」を解いていきます。
- 「A = 0」「B = 0」の場合:1
- 「A = 1」「B = 0」の場合:1
- 「A = 0」「B = 1」の場合:1
- 「A = 1」「B = 1」の場合:0
論理式を解いたらその結果をカルノー図へと反映します。
AB | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 |
1 | 1 | 0 |
カルノー図法を用いた論理式の簡略化
続いては、カルノー図法から論理式を導き出す方法について紹介します。
手順1. グループ化する
カルノー図の中で真となる値を、長方形または正方形でグループ化します。今回の例では2つのグループが作成できます。
■グループ1
AB | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 |
1 | 1 | 0 |
■グループ2
AB | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 |
1 | 1 | 0 |
手順2. 共通項を導き出す
続いては各グループの、共通項を導き出します。
■グループ1
AB | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 |
1 | 1 | 0 |
- Aが0、Bが0 → A・B
- Aが0、Bが1 → A・B
どちらも「A」が含まれているので、共通項は「A」です。
■グループ2
AB | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 |
1 | 1 | 0 |
- Aが0、Bが0 → A・B
- Aが1、Bが0 → A・B
どちらも「B」が含まれているので、共通項は「B」です。
手順3. 共通項を論理和でくっつける
最後に共通項を論理和でくっつけます。
A + B
A・B
メモ
ド・モルガンの法則とは、A + B = A・B の式が成り立つという法則
カルノー図法の問題例
応用情報技術者試験の過去問を用いて、カルノー図法の問題を解いていきます。
A,B,C,Dを論理変数とするとき,次のカルノー図と等価な論理式はどれか。ここで,・は論理積,+は論理和,XはXの否定を表す。
ABCD 00 01 11 10 00 1 0 0 1 01 0 1 1 0 11 0 1 1 0 10 0 0 0 0 ア: A・B・C・D + B・D
イ: A・B・C・D + B・D
ウ: A・B・D + B・D
エ: A・B・D + B・D
グループ化
まずはカルノー図の真の値をグループ分けします。
■グループ1
ABCD | 00 | 01 | 11 | 10 |
00 | 1 | 0 | 0 | 1 |
01 | 0 | 1 | 1 | 0 |
11 | 0 | 1 | 1 | 0 |
10 | 0 | 0 | 0 | 0 |
※上下と左右の端はつながっていると考えてグループ化します。
■グループ2
ABCD | 00 | 01 | 11 | 10 |
00 | 1 | 0 | 0 | 1 |
01 | 0 | 1 | 1 | 0 |
11 | 0 | 1 | 1 | 0 |
10 | 0 | 0 | 0 | 0 |
共通項を導き出す
■グループ1
ABCD | 00 | 01 | 11 | 10 |
00 | 1 | 0 | 0 | 1 |
01 | 0 | 1 | 1 | 0 |
11 | 0 | 1 | 1 | 0 |
10 | 0 | 0 | 0 | 0 |
- Aが「0」、Bが「0」、Cが「0」、Dが「0」→ A・B・C・D
- Aが「0」、Bが「0」、Cが「1」、Dが「0」→ A・B・C・D
共通項は「A・B・D」
■グループ2
ABCD | 00 | 01 | 11 | 10 |
00 | 1 | 0 | 0 | 1 |
01 | 0 | 1 | 1 | 0 |
11 | 0 | 1 | 1 | 0 |
10 | 0 | 0 | 0 | 0 |
- Aが「0」、Bが「1」、Cが「0」、Dが「1」→ A・B・C・D
- Aが「0」、Bが「1」、Cが「1」、Dが「1」→ A・B・C・D
- Aが「1」、Bが「1」、Cが「0」、Dが「1」→ A・B・C・D
- Aが「1」、Bが「1」、Cが「1」、Dが「1」→ A・B・C・D
共通項は「B・D」
共通項の論理和
最後に共通項を論理和でくっつけると「A・B・D + B・D」となり、答えは「エ」です。