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転職すると年収は上がる?下がる?
厚生労働省の調査(令和3年)によると、転職によって年収が上がった割合は「34.6%」、年収が下がった割合は「35.2%」、年収が変わらない割合は「29.0%」になっています。
年代別で見ると次のとおりです。
年齢 | 1割以上 の増加 | 1割未満 の増加 | 変わらない | 1割未満 の減少 | 1割以上 の減少 |
19歳以下 | 20.4 | 23.6 | 33.2 | 15.1 | 6.8 |
20~24歳 | 33.3 | 13.8 | 27.0 | 9.1 | 15.5 |
25~29歳 | 33.6 | 9.3 | 25.0 | 10.3 | 20.5 |
30~34歳 | 28.6 | 9.8 | 27.6 | 11.0 | 21.3 |
35~39歳 | 26.7 | 10.0 | 33.0 | 9.0 | 20.2 |
40~44歳 | 25.0 | 16.4 | 34.2 | 8.0 | 15.5 |
45~49歳 | 23.0 | 12.4 | 34.5 | 8.5 | 20.3 |
50~54歳 | 20.7 | 11.3 | 32.9 | 7.3 | 26.7 |
55~59歳 | 10.7 | 9.8 | 30.1 | 10.6 | 38.2 |
60~64歳 | 9.0 | 4.1 | 19.6 | 4.5 | 62.0 |
65歳以上 | 10.4 | 5.7 | 25.8 | 8.8 | 48.2 |
出典:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」
年代別で見てみると、10代~44歳までの転職は年収が上がる割合の方が大きいですが、45歳を過ぎると年収が上がる割合と下がる割合が同じくらいになり、55歳からは年収が下がる割合が圧倒的に大きくなっています。
以上のデータより「10代~40代半ば」の転職であれば年収は上がる人の方が多いのがわかります。
転職して年収を上げるためのコツ
「給与テーブル」の基準が高い企業に転職する
給与テーブル(賃金テーブル)とは、賃金・給与を設定するための基準となる表のことで、新人から幹部レベルまで等級別に基準となる給与額を振り分けたものです。
ほとんどの企業は、給与テーブルが存在します。
転職する年齢や保有するスキル・経験などにより年収を上げることは可能ですが「給与テーブル」の基準が低い企業に転職した場合、そこからなかなか年収が上がらないということもあります。
そのため、「給与テーブル」の基準が高い企業に転職できれば、年収アップにつながる可能性が高いといえます。
ただ「給与テーブル」は公開されていません。
そこで使用するのが「Yahoo!ファイナンス」です。Yahoo!ファイナンスを利用することで、上場企業の平均年収を調べることができます。
平均年収を調べる手順は次のとおりです。
- コードまたは名称のところに、企業名を入れて検索
- 企業名のリンクをクリック
- 企業情報のタブをクリック
- 平均年収の項目に平均年収が書かれている
※6,000千円と書かれていたら、平均年収は600万円です。
また、国内最大級の社員クチコミ数を有する、転職・就職のための情報プラットフォーム「openwork」を利用するのも一つの手段です。
openworkには、社員の口コミ情報が書かれています。もちろん年収についての情報もたくさん書かれているので、「転職しようとしている企業の年収がどれくらいなのか」など参考にする情報が多く書かれています。
大手企業・有名企業に転職する
「給与テーブル」は企業により異なり、大手企業や有名企業の方が給与水準が高い傾向にあります。
厚生労働省の調査でも給与の平均は大企業339.7千円、中企業299.8千円、小企業279.9千円 (出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)となっており、大企業の方が給与が高い結果になっています。
また厚生労働省の調査では、1,000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」に区分けしているため、大企業の中でも上場企業や誰もが知っている有名企業に絞れば、給与の平均はさらに高くなることが予想できます。
ただし、大手企業や有名企業だからといって必ずしも年収が高いとは限りません。大手企業よりも中小企業の方が年収が高いこともあります。
そのため、転職しようとしている企業の年収がどれくらいなのか調査することが大切です。
企業の平均年収を調べる方法には、主に次のような手法があります。
- 「Yahoo!ファイナンス」を利用して上場企業の平均年収を調べる
- 「平均年収.JP」では企業の平均年収ランキングを公開している
- 「openwork」などの転職口コミサイトで企業の平均年収を調べる
自分の市場価値を把握する
転職で年収を上げるためには「自分の市場価値」を知ることが大切です。
例えば、現在の年収が500万だとします。しかし自分の適正年収が400万だった場合、転職しても年収が下がる可能性があります。
自分の市場価値(適正年収) < 現在の年収
この条件式が成り立っているのであれば、自分の市場価値を上げるために技術力を磨いてから転職を考えた方がよいかもしれません。
また現在の年収が500万で自分の適正年収が700万だった場合、転職すれば大幅に年収が上がる可能性があります。
自分の市場価値(適正年収) > 現在の年収
この条件式が成り立っているのであれば転職するメリットは大きいといえます。
正確な適正年収を知るためには、自分の市場価値を調べる必要があります。自分の市場価値がわかれば、その価値に対して支払われるはずの適正年収を把握できます。
自分の市場価値を知る方法
一つの企業に所属している間は、自分の市場価値は見えてきません。なぜなら自分を評価しているのは所属している企業だけだからです。
市場価値を決めるのは転職市場です。そのため、自分の市場価値を知るためには転職活動する必要があります。
市場価値を知る方法は次のとおりです。
■ 転職サイトを利用する
転職サイトを利用する方法。転職サイトに自分の職務経歴や転職希望条件を登録し、企業からのスカウトを待つことで市場価値を測ることができる。
■ 転職エージェントを利用する
「doda」や「レバテックキャリア」などの転職エージェントを利用する方法。転職支援のプロフェッショナルに相談することで市場価値を測ることができる。
■ 転職活動して企業と面接し年収の交渉をする
実際に転職活動を行い企業と面接し年収の交渉をする方法。「希望年収」を伝えたときの企業側の反応(1次面接の合否)でその年収が高いものなのか、低いものなのか見極めることができる。
面接の段階で年収について交渉しておく
転職で年収を上げるには、「給与交渉(年収交渉)」が大きなポイントです。
企業は給与面も含めて採用を考えるため、面接中に希望年収を質問する場合があります。面接中に希望年収を聞かれた時は、自身の希望年収をはっきりと伝えましょう。
また面接中に質問されなかった場合は、タイミングを見計らって給与体系について質問してみるのもいいかもしれません。
面接中は年収の交渉をするのではなく、希望年収を伝えるだけにします。そして希望年収は根拠を明確に伝えることが大切です。例えば「現在が年収〇〇万円なので、その額と同等(もしくは少しアップした)の○○万円を希望」「内定が出たもう一社が○○万円なので、○○万円を希望」など、希望する年収の根拠を明確に伝えましょう。
企業から内定をもらうと具体的な給与が提示されます。提示された額が希望よりも低い場合は、そこで「給与交渉」を開始します。
ただし、面接中には希望年収を低く伝えておいて、内定をもらってから希望年収を吊り上げるような行為は印象が悪くなるのでやめしょう。
また、内定承諾書を提出した後に給与交渉するのはNGです。内定承諾書を提出するということは、企業が出した条件に合意したという意思表示です。給与交渉するのであれば内定承諾書を提出する前に交渉しましょう。
転職エージェントを利用する
転職エージェントは、転職のプロが書類選考や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスであり、年収の調査も手伝ってくれます。
年収について交渉する際、自分が転職しようと考えている企業の「年収水準」を把握していないとうまく行きません。また「自分の市場価値」を把握していなければ、「自分の市場価値」よりも低い年収を提示された場合、OKしてしまうかもしれません。
そこで、転職のプロである転職エージェントを利用することで、「自分の市場価値」にあった年収を得ることができる可能性が高くなります。
主な転職エージェントは次のとおりです。
転職エージェント | 説明 |
doda | 転職エージェントとして有名なdoda。総合型転職エージェントでありながら、ITエンジニア転職に強いのが特徴。 |
マイナビ IT AGENT | 業界大手マイナビが運営する転職エージェント。ITエンジニア限定の転職サービスであり、独占求人を多く持っているのが特徴。 |
レバテックキャリア | ITエンジニアの求人案件に特化した専門性の高い転職支援サービス。ITエンジニアやWEBデザイナー向けの求人案件が多いのが特徴。 |