データリンク層の主なプロトコル
OSI参照モデルの「データリンク層」、TCP/IP階層モデルの「ネットワークインターフェース層」で利用されている主なプロトコルは次のとおりです。
イーサネット
イーサネット(英:Ethernet)とは、コンピュータをネットワークに接続する際に使う、有線LANの規格のことです。
ネットワーク通信の標準規格として広く普及しており、世界中のオフィスや家庭などで利用されています。
イーサネットの主な規格は次のとおりです。技術の進歩にあわせ、次々と新しい規格が登場しています。
イーサネットの規格 | 通信速度 | ケーブル最大長 | ケーブルの種類 |
---|---|---|---|
10BASE2 | 10Mbps | 185m | 同軸ケーブル |
10BASE5 | 10Mbps | 500m | 同軸ケーブル |
10BASE-T | 10Mbps | 100m | ツイストペアケーブル |
100BASE-TX | 100Mbps | 100m | ツイストペアケーブル |
1000BASE-T | 1000Mbps | 100m | ツイストペアケーブル |
1000BASE-LX | 1000Mbps | 3000m | 光ファイバ |
トークンリング
トークンリングとは、全体が1つの輪(リング型)になるようにネットワークが接続される、LAN規格のひとつです。
1984年に米IBM社が開発し、IEEE 802.5として標準化されています。
トークンリングは、トークンパッシング方式を採用しているのが大きな特徴です。
トークンパッシング方式では、「トークン」と呼ばれる特殊なデータがネットワークを常に周回し、これを取り込んだコンピュータがデータの送信をおこないます。
多数のコンピュータが一本の信号線を共有するネットワークでは、同時に複数のコンピュータがデータを送信することで、衝突(コリジョン)が発生する可能性があります。この衝突(コリジョン)を避けるために「トークン」が存在します。
トークンパッシング方式では、「トークン」と呼ばれる特殊なデータが回線上を流れており、データを送信したいコンピュータはこれを取り込み、代わりにデータを送り出します。そして、送信が終了したら、再び「トークン」を回線に流すことで、他のコンピュータが送信可能になります。
「トークン」を取り込んだコンピュータしか送信できないので、衝突を避けられます。
PPP(Point-to-Point Protocol)
PPPとはPoint-to-Point Protocolの略で、電話回線などの通信回線を介してインターネットに接続するためのプロトコルです。
PPPを使用すると、コンピュータはモデムやISDNアダプタなどのデバイスを介してISP(インターネットサービスプロバイダー)に接続できます。
無線LAN
無線LANとは、無線通信を利用してデータの送受信をおこなうLANシステムの規格のことです。ワイヤレスLAN(Wireless LAN, WaveLAN)とも呼ばれています。
有名な無線LANの規格には「Wi-Fi(ワイファイ)」があります。
Wi-Fi(ワイファイ)の主に次のような規格があります。技術の進歩にあわせ、次々と新しい規格が登場しています。
規格 | 策定時期 | 最大通信速度 |
---|---|---|
IEEE 802.11 | 1997年6月 | 2Mbps |
IEEE 802.11a | 1999年10月 | 54Mbps |
IEEE 802.11b | 1999年10月 | 11Mbps / 22Mbps |
IEEE 802.11g | 2003年6月 | 54Mbps |
IEEE 802.11j | 2004年12月 | 54Mbps |
IEEE 802.11n | 2009年9月 | 65Mbps - 600Mbps |
IEEE 802.11ac | 2014年1月 | 292.5Mbps - 6.93Gbps |
IEEE 802.11ad | 2013年1月 | 4.6Gbps - 6.8Gbps |
IEEE 802.11ax | 2020年頃 | 9.6Gbps |