スケジュール管理でよく使われるガントチャート そして アローダイアグラム。
本記事では、アローダイアグラムでよく使われる言葉「クリティカルパス」について分かりやすく解説していきます。
スポンサーリンク
クリティカルパスってなに?
クリティカルパスとは、スケジュール上で「最重要なルート」のことを指します。クリティカルパスを説明するにはアローダイアグラムの知識が必要となるので、まずはアローダイアグラムについて説明していきます。
アローダイアグラムとは
アローダイアグラムとは、作業の流れと、その作業に要する日数を分かりやすく図にあらわしたものです。
例えば、以下のような作業があるとします。
作業 | 作業日数 | 先行作業 | |
A | システム設計 | 10日 | - |
B | プログラミング | 30日 | A |
C | インフラ環境構築 | 10日 | A |
D | データベース作成 | 25日 | B |
E | システム試験 | 20日 | B |
F | 受け入れ試験 | 10日 | C , D, E |
この作業を、アローダイアグラムで表すと以下のような図となります。
- まずは作業A「システム設計」から作業を始めます。アローダイアグラムには①→②と表します。
- 作業B「プログラミング」の作業に着手する為には、作業Aが終わっていることが条件です。アローダイアグラムには①→②→③と表します。
- 作業C「インフラ環境構築」の作業に着手する為には、作業Aが終わっていることが条件です。アローダイアグラムには①→②→※点線矢印④と表します。
- 作業D「データベース作成」の作業を着手する為には、作業Bが終わっていることが条件です。アローダイアグラムには①→②→③→※点線矢印⑤と表します。
- 作業E「システム試験」の作業を着手する為には、作業Bが終わっていることが条件です。アローダイアグラムには①→②→③→⑥と表します。
- 最後に作業F「受け入れ試験」の作業を着手する為には、作業C,D,Eが終わっていることが条件です。
このようにアローダイアグラムは、実施する作業を矢印で繋ぎ作成していきます。
クリティカルパスとは
クリティカルパスとは、ルート上のどの作業が遅れても全体に影響が出るルートのことをいいます。そのため、クリティカルパス上のルートは日程的に余裕はなく、作業が遅れると全体に影響します。
先ほど登場したアローダイアグラムでは、①→②→③→⑤→⑥→⑦がクリティカルパスであり、最長ルートと同じです。
このアローダイアグラムの全体日数は75日です。(10日※作業A + 30日※作業B + 25日※作業D + 10日※作業F)
クリティカルパス上にない作業Cと作業Eは、多少の作業遅れ(全体に影響がでない日数)があっても全体の日程には影響しません。しかしクリティカルパス上にある作業A、作業B、作業D、作業Fは作業の遅れが全体の日程に影響します。
例えば10日を予定していた作業Aが1日遅れると、全体の日数も1日遅れて76日となります。しかしクリティカルパス上にない作業Cが1日遅れても、全体の日数は75日と変わりません。