客先常駐

客先常駐のメリット・デメリット

中小企業SEのリアルな悩み

客先常駐とは

客先常駐とは

客先常駐とはエンジニアを求めている企業に対して技術者を提供し、その企業に常駐して働くことをいいます。IT業界では、この客先常駐の働き方が非常に多いです。

IT業界はモノ作りの仕事です。何か新しいモノを作るとき一時的に沢山の人が必要になる時期があります。例えば「開発工程には30人必要だが、開発工程が終われば10人いればいい」というイメージです。

日本はリストラが出来ない国です。自社の社員で開発をしようとすると、仕事がまったくない時期がある社員が沢山でてくる危険性があります。

その点、下請けの企業の社員を客先常駐で雇っていれば、仕事が無くなれば契約を終了するだけです。客先常駐は雇い主企業にとって都合の良い働き方なのです。

 

ただ、雇われ側企業にとっても客先常駐は都合の良い働き方です。なぜなら社員を顧客に常駐させるだけで安定した「売り上げ」を上げることができるからです。

客先常駐は「雇い主」と「雇われ側」企業にとって「Win-Win」の関係性と言えるのです。

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客先常駐のメリット

色々な現場を体験できる

客先常駐の最大のメリットといえます。客先常駐は仕事がなくなると「契約終了」になるケースがよくあります。「契約終了」になった場合、新しい現場に常駐します。

このように客先常駐は、色々な現場を体験することができるのです。自社製品を作っている企業の社内SEの場合、同じシステム、そして同じ同僚と長い年月仕事をするケースがよくあります。しかし客先常駐の場合は、長い年月同じシステム、そして同じ同僚と仕事をすることは滅多にありません。(※ただし現場によっては客先常駐でも長い年月同じシステムに携わる現場もあります)

色々な現場を体験できるということは、色々な技術を学ぶことができます。そして色々な人と交流することができます

責任がないから気楽でいい

客先常駐の契約は「準委任契約」と「派遣契約」が一般的です。「準委任契約」と「派遣契約」は「請負契約」とは違い成果物を納品する義務がないのです。

とはいえ仕事自体は自分の作業を持ちスケジュールもあるので、スケジュールに遅れないように作業を進めていく必要があります。

ただ仮に案件で大赤字を出しても、責任を負うのはお客様先の責任者です。

 

客先常駐の社員は、契約社員と似た働き方です。いついなくなるか分からない客先常駐の社員に、責任のある仕事(見積もり等のマネジメント的な作業)を任せることは、基本的にありません。もちろん現場によっては客先常駐の社員に「見積もり等」の作業を任せる所もありますが、確率は低いです。

ヘッドハンティングされることがある

常駐先の大手企業にヘッドハンティング(引き抜き)されることがたまにあります。実際、引き抜かれて翌月から大手企業の社員になった人もよく見かけます。

ただ契約している企業間の付き合いもあるので、そう簡単にはヘッドハンティングされることはないです。またフリーランスの場合は企業間の付き合いはないので、ヘッドハンティングされる確率は高くなります。

若い時は客先常駐で色々な現場を経験し、気に入った企業に自ら転職する人もいます。ただ企業間の付き合いもあるので、その辺りは上手に付き合う必要があります。

嫌なら最悪現場を変えればいい

もしかしたら客先常駐の最大の魅力かもしれません。

本社勤務しかない会社の場合、「嫌な上司がいる」「仕事にやりがいを感じない」「新しいことに挑戦したい」などを感じた時、選択肢としては部署を移動するなどの方法しかありません。または転職するという道も考えられます。

客先常駐の場合、上司や会社に相談することで現場を変えてもらうことが可能です。ただポジティブな理由や、「それは仕方ない」と思える理由なら良いですが、あまりにも理不尽で自分勝手な理由だと、評価が下がる危険性があるので、明確な理由が必要です。

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客先常駐のデメリット

勤務先が定期的に変わる

客先常駐は仕事がなくなると終了、そして次の現場に移動。このサイクルの繰り返しです。勤務先が定期的に変わり、一緒に仕事をする人も定期的に変わります。

そして定年まで色々な現場を転々とする可能性があるのです。

現場を転々とする客先常駐

若い時は、色々な技術に触れ、色々な人と知り合うことができるので、メリットも大きいです。ただ40歳や50歳を過ぎても、客先に常駐している可能性があるのです。

そう考えると「将来が不安になります」

 

課長や部長に昇進できていれば、その可能性は低くなりますが、管理職に昇進できていない場合、定年まで客先に常駐する危険性があります。特に自社製品や請負部隊を持っていない会社(基本的に社員はほぼ客先で仕事をしている会社)であれば尚更です。

客先常駐は現場を転々とする
客先常駐は現場を転々とする可能性が高い

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評価基準がよくわからない

客先常駐の場合、同じ現場に直属の上司がいないケースがあります。この場合、評価基準がよく分かりません。

現場を知らない上司がどうやって評価するのか。結局は、お客様評価がそのまま評価へと繋がるのです。

顧客評価はフェアじゃない

お客様の評価の場合、公平な評価は難しくなります。なぜなら現場によって「厳しいお客様」と「優しいお客様」がいるからです。

例えば、以下のような場合、「優しいお客様」の所へ常駐している方が評価が高くなる可能性があります。ただ、実際は「厳しいお客様」の所へ常駐している人の方が優秀だったりもします。

お客様 現場レベル お客様の評価
厳しい人 難しい仕事 辛口評価
優しい人 簡単な仕事 高評価

結局、現場を知らない上長が公平な評価をするのは無理があるのです。

常駐先に上司がいない現場で評価される為には「お客様評価が非常に重要」となります。

評価制度が確立できない
客先常駐は評価制度が確立できない、顧客評価はフェアじゃない

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責任ある仕事ができない

客先常駐は、派遣社員と似た働き方です。

客先常駐の契約形態である「準委任契約」や「派遣契約」は期間を決めて契約します。そして契約期間が過ぎると、延長するか、終了するかのどちらか選択します。

そのため、いついなくなるか分からない客先常駐の社員には、責任のある仕事は任せにくいのです。また「準委任契約」と「派遣契約」は成果物を納品する義務がない契約です。ようするに助っ人のような契約なのです。

管理職に必要なスキルであるお金の管理を任されることは、まずありません。あくまでも設計やプログラムといったモノ作りをするのが客先常駐の社員の役割なのです。

マネージメント能力が学べない
客先常駐はマネジメント能力が学べない

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帰属意識が生まれない

帰属意識が生まれない

客先常駐で客先に常駐していると、自分の会社に出社することがほとんどありません。

自社の社員とは、月1回の定例会議(それすらない会社もあります)や1年に数回の親睦会や忘年会で会うくらいです。

そして忘年会に参加しても、知らない人ばかり・・・ということが当たり前に起きる働き方なのです。

先常駐は帰属意識が生まれない働き方
客先常駐は帰属意識が生まれない働き方

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将来が不安になる

客先常駐は将来が不安になる働き方と言えます。

20代や30代の時は、色々な現場で技術を学び、色々な人と交流して、メリットも大きいと思います。しかし、40代や50代、そして60代のことを考えると将来が急に不安になることがあります。

 

なぜなら会社で管理職になれる人はごく一部です。ということは50歳を過ぎても客先で働いている可能性が高いからです。そして相変わらず現場を転々とする可能性が高いのです。

 

IT業界は技術の進歩が速い業界です。新しい言語や技術が登場すると、その技術を使う現場も増えてきます。

年齢を重ねてもその変化に対応できる人は、年齢に関わらず仕事はあるはずです。しかし、いつまでも古い技術しか扱えない高年齢の技術者は、「単価が高い」そして「扱いづらい」だけです。

そうなると雇ってくれる現場が限られてきます。仕事が選べなくなり、自分より数十歳年下の現場リーダーの指示で仕事をするのです。

そう考えると、将来が不安になる働き方です。

客先常駐は将来が不安になる
客先常駐は将来が不安になる働き方

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