EGP(Exterior Gateway Protocol)
EGPはルーティングプロトコルの一種です。EGPを説明する前に「ルーティング」そして「ルーティングプロトコル」について説明していきます。
ルーティングとは
ルーティングとは ネットワーク上で通信するための最適経路を導き出してくれる仕組みです。
インターネットに接続するためには、コンピュータは ルータと呼ばれるネットワーク機器に接続します。一般家庭でも「ブロードバンドルータ」や「無線LANルータ」が設置されているケースがほとんどです。
そして、インターネット上にある外部のコンピュータと通信する際は、必ずルータを経由します。
上記例はネットワークAに所属している「PC1」からネットワークCに所属している「PC6」へデータを送信する際のイメージ図です。
まず「PC1」はデフォルトゲートウェイに設定されている「ルータA」へデータを送信します。「ルータA」からの経路には「ルータB」と「ルータC」の2通りの経路が存在しています。
そこで「ルータA」はルーティングテーブルと呼ばれる経路情報を参照し、「PC3」がどのネットワークに所属しているのかを宛先のIPアドレスから判断し、そのネットワークを管理している「ルータC」にデータを転送します。このルーティングテーブルを参照して最適な経路を導き出す仕組みがルーティングです。
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ルーティングプロトコルとは
ルータが目的地までの最適ルートを導き出す際に使用するのが「ルーティングテーブル」です。ルーティングテーブルは経路に関する様々な情報を保持しています。
この「ルーティングテーブル」は常に最新の状態に保つ必要があります。なぜなら「ルーティングテーブル」が古いと正しい経路が導き出せないからです。
この「ルーティングテーブル」を最新化する方法は2通りあります。
1つ目は「スタティックルーティング」と呼ばれる方法。スタティックルーティングとは管理者が手動で新しいルートを登録する方法です。
2つ目は「ダイナミックルーティング」と呼ばれる方法。ダイナミックルーティングはルーティングプロトコルを使用して自動的に「ルーティングテーブル」を最新化する方法です。
ルータ同士がお互いに経路情報を交換しあい「ルーティングテーブル」を最新化していきます。
EGPとは
EGP(Exterior Gateway Protocol)とは、自動的にルーティングテーブルを最新化する方法であるダイナミックルーティングで使うルーティングプロトコルの一種です。
ルーティングプロトコルには、大きく分けて2種類に分かれます。自律システム(AS)間でのルーティングと自律システム(AS)内でのルーティングです。
※自律システム(AS)とは、ネットワークの集合体(グループ)のことで、企業やプロバイダなどが当てはまります。
上記の例はEGRとIGPのイメージ図です。ASの外部にあるルータと経路情報のやり取りをするのがERG、ASの内部にあるルータと経路情報のやり取りをするのがIGPです。
ルーティングプロトコル | 説明 |
EGP(Exterior Gateway Protocol) | 自律システム間(AS)でルーティングテーブルを最新化するために使われるルーティングプロトコル |
IGP(Interior Gateway Protocol) | 自律システム内(AS)でルーティングテーブルを最新化するために使われるルーティングプロトコル |
またEGPには、更に「EGP (Exterior Gateway Protocol)※同じ名前」と「BGP (Border Gateway Protocol)」の2種類のルーティングプロトコルに分けられます。