ACID特性とは

トランザクションのACID特性

トランザクションのACID特性（読み：アシッドとくせい）は、トランザクション処理において必要とされる4つの要素

• Atomicity（原子性）
• Consistency（一貫性）
• Isolation（独立性）
• Durability（永続性・耐久性）

を頭字語で表したものです。

ACID特性の前に「トランザクション」について説明します。

トランザクションとは

トランザクションは、一連の処理をひとまとめにしたものであり、処理がすべて成功したらコミット（確定）、一部でも失敗したらロールバック（破棄）します。

次の例は、商品購入の処理をトランザクションで管理しています。

• トランザクション開始
• 商品の在庫を減らす
• 購入者情報を登録する
• トランザクション終了

トランザクションは、処理がすべて成功したら一連の処理をすべて確定（コミット）、一部でも失敗したらすべて破棄（ロールバック）します。

上記例では、「②商品の在庫を減らす」「③購入者情報を登録する」の両方が成功した場合のみ処理を確定（コミット）、一部でも失敗したらトランザクションの処理はすべて破棄（ロールバック）します。

トランザクション管理しないと、次の図のように一貫性のないデータになってしまう可能性があります。

• 商品の在庫を減らす（成功）
• 購入者情報を登録する（失敗）

トランザクション管理している場合は、トランザクション終了時に一連の処理を「確定（コミット）」もしくは「破棄（ロールバック）」します。

しかし、トランザクション管理していない場合は、SQLを実行した時点で確定します。

その結果、商品の在庫は減っているにもかかわらず、購入者情報がない、という一貫性のないデータになってしまいます。

このようなデータを作らないためにも、トランザクション管理は重要です。

ACID特性とは

ACID特性とは、トランザクション処理において必要とされる4つの要素（Atomicity、Consistency、Isolation、Durability）のことです。

Atomicity（原子性）

ACID特性のAtomicity（原子性）は、トランザクション内の処理が「すべて実行する」か「まったく実行しない」のいずれかであることを証明する性質です。

中途半場に一部だけ実行することは許容しません。

Consistency（一貫性）

ACID特性のConsistency（一貫性）は、トランザクションによりデータの矛盾が生じないこと、つまり常にデータベースの整合性が保たれていることを保証する性質です。

Isolation（独立性）

ACID特性のIsolation（独立性）は、複数のトランザクションを同時に実行した場合と、順番に実行した場合の結果が等しくなることを保証する性質です。

同一データベースに対する同一処理は、何度実行しても結果は同じです。

Durability（永続性・耐久性）

ACID特性のDurability（永続性・耐久性）は、トランザクション完了後にハードウェア障害が発生しても、更新されたデータベースの内容は保証する性質です。