IPアドレスとMACアドレスの違い
IPアドレスとは、インターネット上で通信するために必要なインターネット上の住所、そしてMACアドレスは、LANカードなどのネットワーク機器に割り当てられたコンピュータの識別番号です。
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どちらもコンピュータ(ネットワーク機器)を識別するための情報です。では「MACアドレス」と「IPアドレス」の役割の違いは何なのでしょうか。
- MACアドレスの役割:隣接するコンピュータ間の通信を可能にすること
- IPアドレスの役割:インターネット上にある目的地のコンピュータまでデータを届けること
MACアドレスとIPアドレスの役割
MACアドレスは、OSI参照モデルのデータリンク層(レイヤ2)で使われる情報です。そしてデータリンク層の役割は隣接するコンピュータ間の通信を可能にすること。
この隣接するコンピュータ間の通信を可能にするために使う情報が「MACアドレス」です。MACアドレスを使うことで、どのコンピュータに送信すればよいか判断しているのです。
また、同じセグメントに属するコンピュータ同士であれば実は「IPアドレス」がなくても「MACアドレス」だけで通信が可能です。
しかし、インターネット上にある他セグメントに属するコンピュータへ通信するためには「IPアドレス」がないと通信がすることができません。
※セグメントとは、ブロードキャスト(接続している全コンピュータにデータを流す)が届くネットワークの範囲(グループ)のこと
OSI参照モデルのネットワーク層で使われる「IPアドレス」を使用することで、他セグメントに属するコンピュータの宛先が分かり通信を可能としているのです。
ポイント
インターネット上で通信するためには「IPアドレス」がないと通信できない。
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MACアドレスとIPアドレスの具体的な使われ方
上記の例は「PC1」がインターネット上にある「PC2」へデータを送信する際、送信先と送信元の「MACアドレス」「IPアドレス」がどのように設定されるかを表した図です。
PC1 → ルータA間
まず送信元である「PC1」から、セグメントAにある「ルータA」まで、データを送信する時の各宛先は次の通りです。
送信先IPアドレス | 送信元IPアドレス | 送信先MACアドレス | 送信元MACアドレス |
PC2 | PC1 | ルータA | PC1 |
IPアドレスは、最終的な目的地である「PC2」が送信先です。それに対しMACアドレスは次に送る相手(ルータA)が送信先に指定されています。
ルータA → ルータB間
次にセグメントAにある「ルータA」から、セグメントBにある「ルータB」まで、データを送信する時の各宛先は次の通りです。
送信先IPアドレス | 送信元IPアドレス | 送信先MACアドレス | 送信元MACアドレス |
PC2 | PC1 | ルータB | ルータA |
先ほどと同様に、送信先IPアドレスは、最終的な目的地である「PC2」のままです。(送信元もはじめにデータを送った「PC1」のまま)
しかし、MACアドレスの送信先は次の相手である「ルータB」、そして送信元は「ルータA」になっています。
ルータB → PC2間
最後にセグメントBにある「ルータB」から、最終的な目的地である「PC2」まで、データを送信する時の各宛先は次の通りです。
送信先IPアドレス | 送信元IPアドレス | 送信先MACアドレス | 送信元MACアドレス |
PC2 | PC1 | PC2 | ルータB |
これで最終的な目的地である「PC2」へデータが届きました。
IPアドレスは、宅配便で例えると「送り先住所」であり、最終的にどこに届けるかという情報です。
それに対しMACアドレスは、次にどこへ届けるかという情報なのです。(宅配便を例にすると東京営業所や大阪営業所など、次に届ける場所を表す)
そして、MACアドレスは隣接するコンピュータ間の通信を可能にする役割を持っているので、コンピュータ間(ネットワーク機器)で通信するためには、IPアドレスだけではなく、MACアドレスも必要です。