ライトバック方式
ライトバック方式とは、CPUがキャッシュメモリに書き込みを行う際、普段はキャッシュメモリにしか書き込みを行わず、主記憶装置への書き込みは後で行う方式のことです。
キャッシュメモリは読み出しだけではなく、書き込みにも使用します。ただキャッシュメモリに書き込んだ内容はどこかのタイミングで主記憶装置にも反映させる必要があります。
ライトバック方式の流れ
(1) キャッシュメモリへの書き込み
ライトバック方式では、普段はキャッシュメモリにだけ書き込みを行います。高速に動作するキャッシュメモリにだけ書き込みを行うので、当然 高速に動作します。
(2) 主記憶装置への書き込み
キャッシュメモリは小容量のため、データが入らなくなると古い内容は新しい内容で上書きされます。この古い内容が新しい内容で上書きされるタイミングで主記憶装置に書き込みを行います。
ライトスルー方式との違い
主記憶装置を書き換える方式には「ライトバック方式」の他に「ライトスルー方式」があります。
ライトスルー方式では、CPUがキャッシュメモリに書き込みを行う際、同時に主記憶装置(メインメモリ)にも書き込みを行います。
ライトスルー方式は、高速なキャッシュメモリと低速な主記憶装置の両方に書き込みを行います。そのため、読み出し時はキャッシュメモリによって高速に動作するが、書き込み時の性能はまったく向上しません。ただし、キャッシュメモリと主記憶装置のデータは常に一致しているため「一貫性」を保つことができます。
それに対して、ライトバック方式では普段は高速なキャッシュメモリにしか書き込みを行わないため、読み出し時だけではなく書き込み時の性能も向上します。ただし、キャッシュメモリと主記憶装置のデータが必ずしも一致しているとは限らず、ライトスルー方式に比べ制御が難しいという短所があります。
暗記ポイント
- ライトスルー方式:主記憶装置への書き込みを同時に行う方式
- ライトバック方式:主記憶装置への書き込みを後で行う方式