はじめに
基本情報処理技術者試験や応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士などで登場するシステム信頼性の問題。フェールセーフやフェールソフト、フールプルーフなど似ている名前が多く、ついつい忘れてしまいがちになってしまいます。
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本記事では情報処理試験で登場するシステム信頼性についてまとめてみました。
「フォールトトレランス」と「フォールトアボイダンス」の違い
システム信頼性の考え方には、まずフォールトトレランスとフォールトアボイダンスの2つがあります。
まずフォールトトレランスとは、障害発生時でも安全に動作させる考え方です。
次にフォールトアボイダンスは、フォールトトレランスとは真逆で、可能な限り障害を発生させない考え方です。
簡単にまとめると以下の通り。
システム信頼性設計の種類
障害発生時でも安全に動作させる考え方である「フォールトトレランス」を実現する方法について紹介します。情報処理試験ではよく出題される問題なので、覚えておきたい内容です。
フェールセーフとは
フェールセーフとは障害発生時に被害を最小限にする考え方。具体的には障害発生時に安全性を確保する方向で壊れるように仕向けておく方法です。安全性を確保することで被害が致命的な問題まで発展することを防ぐことができます。
例えば故障すると赤の状態で止まる信号機、倒れると自動的に火が消える石油ストーブなどはフェールセーフの設計思想となります。
障害発生時は安全第一という考え方がフェールセーフです。
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フェールソフトとは
フェールソフトとは障害発生時に縮退運転で動作させる考え方。縮退運転とは障害発生時にシステム全体を停止させるのではなく、一部機能を切り離すなどして、動作させる方法の事を言います。これにより障害発生時でも機能は低下するが、処理を継続できるようにします。
例えばエンジンが壊れたら予備のエンジンで動作させる飛行機、停電したらバッテリー運転に切り替わるパソコン(サーバー)などはフェールソフトの設計思想です。
障害発生時は継続性が最優先という考え方がフェールソフトです。
フールプルーフとは
フールプルーフとは利用者が誤った使い方をしても危険が生じない、もしくは誤った使い方が出来ないように設計する考え方を言います。
例えばプラスマイナスが反対だと挿入できない電池や、ドアが閉まらないと動作しない電子レンジや洗濯機などはフールプルーフの設計思想です。
意図しない使い方でも故障しないようにする考え方がフールプルーフです。
終わりに
- フォールトトレランス:障害発生時でも安全に動作させる考え方
- フォールトアボイダンス:そもそも障害を発生させない考え方
- フェールセーフ:障害発生時は安全第一という考え方
- フェールソフト:障害発生時は継続性が最優先という考え方
- フールプルーフ:意図しない使い方でも故障しないようにする考え方